ミクロの百日間戦争

ミクロマンやそれにマッチする小物類のレビューなどをつらつらと…

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アカツキの事件簿6

アカツキの事件簿10


*前回の話はコチラとなります。

港湾エリアで暴れるパワードスーツを前にチームで対抗するアカツキ達。ミサリー・ディートン・アイリーンらの活躍で遂にアクロイヤーを取り押さえる事が出来たが、犯人逮捕の心の隙を狙ってアカツキの命を狙うもう一人の存在にはまだ気付いていなかった…。

アカツキの事件簿11


「さぁ、キリキリと歩くトーンっ」

パワードスーツを操って港湾エリアで暴れていたアクロイヤーを後ろ手にさせて拘束しながら、意気揚々と歩かせるディートン。俺はその様子を苦笑いをして見ながら後ろについて歩いていく。そうしてアクロイヤーを護送車へと向かわせている中、俺の心中にはある一つの疑問がついて浮かんでいた。

(それにしても…何でこんなとこで暴れてたんだ、コイツ? 街の方に向かう様子は無かったし、見たところ目的があって暴れてたようにも見えなかったな…。強いて言えば俺たちM.I.C.Rと戦う為? アレンさんはその点をどう思ってんのかな…。ま、帰ってからコイツをたっぷり締め上げて聞いてみるか…)

胸中の疑問に首を傾げながらもその回答が出る事は無く、俺は釈然としないものを感じながらも歩いていく。まさかコイツが暴れていたのは、俺の命を狙った巧妙な罠であるとは露とも思わずに…。

アカツキの事件簿12


そんなアカツキの様子を見詰める一つのスコープ。そのスコープとダイレクトリンクしながら、アクロシルビアの『神眼』はアカツキの事を見据えていた。

「フフ…まさかあの時の貴方と、こうしてまた巡り合えるなんてね…。けれど残念…。もう一度、貴方と飲み明かしたかったけれど…そろそろお休みの時間…」

ゆっくりと…狙いを定める。気に入った男だからこそ、せめて苦しませずに逝かせる。それがアクロシルビアの女としての、そしてスナイパーとしての流儀。銃口がしっかりとアカツキの胸部に狙いを定め、シルビアの指がトリガーに掛かる。

アカツキの事件簿14


その瞬間。俺は全身の毛が逆立ち、ゾクリとしたものが体を貫くのを感じた。久しく味わっていなかったこの感覚…。先程暴れ回っていたヤツとの戦いでも感じなかった恐怖がが俺に襲い掛かってくる。それは明確な『死の予感』であった。

(この感覚は…っ!!)

遺伝子の組替えにより創造されたミクロ生命体には、人間には無い超常的ともいえる特殊な能力を有する者が居る。シャンニーのような「事象の断片から回答を導き出す能力」や、シオンやハンネのように「神聖力」という不思議な力を持った者などだ。

そして俺にも、ある一つの生まれ持った特殊な力が備わっていた。その力こそが俺をミッションフォースの一員たらしめているものであり、その力のお陰で俺は今まで生き延びらえる事が出来た。

その力の名は『アウェーネス』。直前に迫った死の危険を感じ取るという限定的な予知能力だ。

しかしこの能力…甚だ不完全な力で、俺には直ぐ目の前に死が口を開いている事しか理解出来ず、どのような危機が迫っているかを知る事は出来ない。誰かが目の前の物陰から飛び出してくるのか、足元に地雷があるのか、近くで爆弾が爆発しようとしているのか…判るのは瞬時に判断して動かなければ確実に死の顎に囚われるという事。その危険な予感が今まさに俺に迫ってくる。

(なんだっ?! ここの場所で戦うのを決めたのは俺達だから罠や潜伏してる敵とは思えねぇ…考えられるとしたら…狙撃や砲撃かっ! 誰かがここを狙っているのか?)

アカツキの事件簿15


アカツキの足取りが束の間鈍ったその時が、シルビアに取っての好機だった。その機を逃す事無く引き金は絞られ、銃口から輝かしい閃光が迸る。

「さよなら、ダーリン…オヤスミのキスをあげるわ」

そして引き金が絞り切られる直前、彼女の眸は驚きで見開かれる。スコープの中の『標的』が狙われている事に気付いたように身を翻したからである。

アカツキの事件簿16


「皆、散れっ! 狙われてるぞ!!」

何者かが遠距離から狙っている! 即座にそう判断した俺は大声をあげて周囲に警戒を呼び掛けると同時に物陰目指して身を翻す。躊躇している暇は無い。遠距離からの攻撃と断定こそ出来ないが、今ここで立ち止まっていても危険なのは確かだった。

アカツキの事件簿17


「まだよっ!」

普段感情を強く出す事の無いシルビアの口から、突きつけるような鋭い声が迸り出る。スコープから逃れ出ようとする標的。引き金は既に絞られている。その動きを止める事は出来ない。

しかしそれをも覆してこその『神眼のスナイパー』の異名である。使う得物が熱線銃タイプのスナイパーライフルである事も幸いした。彼女は熱線が全て迸る直前にリストだけで僅かに修正を行うと、逃れようとする標的を追撃する。

アカツキの事件簿18


予感通り飛び込んできた狙撃は一瞬前まで俺の居た場所を貫こうとした。だがその熱線の軌跡は驚くべき事に変化を見せ、逃げる俺を追撃するように伸びてくる。俺は見えない敵の強烈な執念を感じながら身を捩じらせる。

(駄目だっ…かわせねぇっ!)

「グァッ!」

鮮血が舞う。胸に激痛が走り、口からは苦悶の声が零れ出る。その痛みに目の前が真っ暗となり、流れ出る血潮を横に引きながら、俺は倒れ込むように物陰へと飛び込んだ。

アカツキの事件簿19


「アカツキッ!」「アカツキさんっ!!」

アカツキの警戒の声に装甲車の影に隠れたアレン達だが、彼らが振り返った時に見たのは熱線で貫かれたアカツキの姿だった。咄嗟に飛び出そうとするミサリーだが、その動きをアレンが手で制する。

「駄目だ。狙撃手が未だ狙っている。今出て行くのは危険だ」

「でもぉっ! でもアカツキさんがっ!」

「…………」

アカツキの事件簿21


「…………」

狙撃を終えたシルビアはその結果を黙ったまま見詰めていた。常人を遥かに超える彼女の視力はスコープを使わずとも狙撃の場をはっきりと眸の中に収めている。

(駄目ね…手応えが無かった。今のでは、仕留め切れてない…)

狙撃が当たる瞬間、あの男は咄嗟に身を捩じらせた。胸部を貫いたかに見えた熱線だが、実際には彼の胸を抉った程度であろう事を、誰よりも彼女が一番理解していた。

それ以上銃を構える事はしない。これ以上続ければこちらの位置も割り出されて確実に追っ手が掛かる事になる。何よりあの必殺の一撃を外されてしまった事が、スナイパーの意地を刺激していた。

アカツキの事件簿20


「アイテテ……ちくしょ……なんて腕前だよ…」

ズクリズクリと痛みを伴って出血していく胸の傷を抑えながら、苦悶に顔を歪ませつつ俺は呟いた。これ程の狙撃の腕前の持ち主がそうそういるとは思えない。俺は先日酒を酌み交わした彼女の顔を思い出しながら、力無く唇の端を歪める。

「全く…参るぜ。イイ女じゃ…ねぇか…」

掠れる声で減らず口を叩いていると、アレンさんとミサリーの声が耳に届いてくる。俺は二人に無事である事を示すように親指を立ててサインをすると、そこで意識を失ってしまった。

アカツキの事件簿22


(いいわ、ダーリン…私のキスで寝なかった男は初めてよ…。次は、必ず仕留めてみせる。その時まで、絶対に死んでは駄目よ…)

狙撃を失敗した形となるシルビアだが、その表情には笑顔すら浮かんでいた。彼女が引き金を引くと共に終りを迎える関係…。それを初めて覆した男の存在に、彼女は喜びを覚えていた…。

{続}


はい、漸く港での攻防シーンが終了の「アカツキの事件簿6」です。シルビアさんの必殺の一撃を喰らったアカツキですが、何とか生き長らえる事が出来ましたw シルビアさんはアカツキの遭遇した最初の強敵となりますね。今後も折をみてストーリーの中で絡んでくると思います。

そして次回は一月程間が開きまして11月以降の公開になると思いますが、「アカツキの事件簿」中、最大の事件が発生しますっ! 一応全ての撮影シーンは終了してますが、6エントリにも及ぶ長編となってしまいました。なんと今度の敵はキリエでは無く、最凶のアクロイヤー率いるアノ軍団。ノリとしては「劇場版」みたいなものですね(笑) 楽しんで戴けるように頑張りまっす。

本日は「アカツキの事件簿6」でした。
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この記事のコメント

アカツキさん、特殊能力有ったんですね!
今回も読み応えありましたよ。スコープのシーンも雰囲気出ててグです!

来月からはいよいよ・・・・ですね。ちょっと急がないと(汗)。ポチ!
2008-10-02 Thu 14:11 | URL | misodrill #-[ 編集]
いいですねぇ話がしっかりしていて
そして写真も背景がいいですね!!
2008-10-02 Thu 16:40 | URL | カメレオン #-[ 編集]
港の攻防、ついに完結ですね!お疲れ様でした☆
アカツキに特殊能力があったのは驚きです!
灘神影流「弾すべり」みたいな技で回避したのかな(笑)
劇場版にも期待大です♪ポチ!
2008-10-02 Thu 21:20 | URL | 龍牙 #-[ 編集]
アカツキ君、なんとか危機を脱しましたね。
アカツキVSシルビアの第1ラウンドはこれで終了かな?

ビンテージさんの所のシルビアは「職人」っていうか
非常に誇り高い性格ですね。強者の余裕みたいな所が
凄くカッコイイ。

お話の方もとても面白かったです。
次回作期待してます。
2008-10-02 Thu 22:39 | URL | いいんちょ@ #SHLDkvn6[ 編集]
VSシルビア、第1ラウンド終了ですね。お疲れ様でした。

『神眼のスナイパー』の異名をとるシルビアの狙撃をどう防ぐのか
と思っていたら、アカツキの特殊能力ですか!上手い見せ方ですね。
ひょっとしたら、アカツキさん退場?何て考えちゃいました(笑)。

この狙撃で、アカツキさんのジャケットも傷ついたようですが…。
2008-10-03 Fri 14:57 | URL | 遊慈 #l7BLX0Ck[ 編集]
>misodrillさん

拍手有難う御座いますー。

アカツキ、実は特殊能力あったのです(笑) 当初から設定はしていたのですが明らかにする機会が無く、今回初めて使用する事となりました。今後も色々と重要になってくる能力です。

スコープのシーンはmisodrillさんから教わった例の画像ソフトが本当助かりました。あれのスポットライトは使い手ありますねー。

来月からは例の…ですね。ビンテージも頑張って執筆します!
2008-10-03 Fri 18:59 | URL | ビンテージ #3fSe.YNE[ 編集]
>カメレオンさん

拙い文章ですが何とか話を進めておりますw 画像はまだまだですねぇ。もっと勉強しないと(汗
2008-10-03 Fri 19:00 | URL | ビンテージ #3fSe.YNE[ 編集]
>龍牙さん

漸く港編終わりました。と思ったら次回から更に長編です(笑) アカツキは上気の通り一応最初の段階から考えていた能力だったのですが、今まで素振りが無かったのでちょっと前置きしとけばよかったかなと思ってます(苦笑

劇場版は大掛かりな仕掛けとなってますので、是非楽しんで戴きたいです。頑張りまーす。
2008-10-03 Fri 19:02 | URL | ビンテージ #3fSe.YNE[ 編集]
>いいんちょ@さん

アカツキvsシルビアの第一ラウンドはこれにて終了です。今後のストーリーの目算は立っているのですが、その中でシルビアさんのカムバックは勿論予定してます。再び現れる彼女の活躍を楽しんで戴ければと思いますー。

やはりビンテージにとってシルビアさんは「スナイパーキャラ」というイメージが強く、その点でシビア且つストイック、でもどこか色っぽいwというイメージで固まっていますね。今後のストーリーも頑張っていきたいと思います。
2008-10-03 Fri 19:07 | URL | ビンテージ #3fSe.YNE[ 編集]
>遊慈さん

長引かせてしまいましたが何とか港の攻防編は終りました。アカツキ、どうにか危機を脱しましたが、これからもピンチによく合う事になるでしょう(笑

アカツキのジャケットは複数枚所持していると考えてますが、これを機にミクロテックスキンをリニューアルします。それは後日(というか今夜)のエントリで紹介致しますー。
2008-10-03 Fri 19:10 | URL | ビンテージ #3fSe.YNE[ 編集]
はじめましてジョーグンと申します。

いつも拝見させていただいています><

ア、アカツキさんが・・・・・・・

一瞬アカツキさんと誰かが主人公交代するのかと思
いましたwww

いいんちょ@さんのとこのシルビアと一風変わって、
かっこいいですね^^
2008-10-03 Fri 23:04 | URL | ジョーグン #tfdyKnH6[ 編集]
>ジョーグンさん

はじめまして&いらっしゃいませー。

いつも拝見してくださってるとの事、誠に有難う御座います。もの凄く励みになりますっ。アカツキ、ここで主役交代したらそれもそれで激動な展開ですが、やはり「アカツキの事件簿」ですのでまだまだ死ねませんw シルビアさん、ストイックな感じでしょうかね? ビンテージとしてはプロ魂をもったスナイパーなイメージで動かさせてもらってます。
2008-10-04 Sat 22:46 | URL | ビンテージ #3fSe.YNE[ 編集]

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