ミクロの百日間戦争

ミクロマンやそれにマッチする小物類のレビューなどをつらつらと…

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アカツキの事件簿「紅の疾風」後編

アカツキの事件簿5

*前回の話はコチラとなります。

街で起きている様々な事件に思いを馳せながら家路を辿るアカツキ。だがその背後には彼の命を狙う銀の魔女がひっそりと忍び寄ってきていた…。

アカツキの事件簿8

突然背後で悲鳴にも似た甲高い音が聞こえ、次の瞬間ガシャンと何か重たいものが衝突する音が響く。ハッとなって振り返った俺は背後で一台の車がガードレールに衝突している光景と、銀のオープンカーが無理やり車線に割り込んでこちらへと迫ってくるのを見る。

「な、なんだ?」

唐突の出来事に動揺を見せる俺に、車を操りながら悠然とした笑みをこちらへ向ける運転席の女。その女の眸は確かに俺を捉えていて、俺と目が合うと微笑みながら口を開いた。

アカツキの事件簿9

「こんにちは、アカツキさん。そう言えばはじめまして、ね。以前から貴方の事は知っていたから初めて会った気がしないわ。これからどれくらいの付き合いになるかは判らないけど、まずは自己紹介させて戴くわね。私は『F2』。『L3』と手を組んで世間を騒がす怪盗であると共に、今は『キリエ』の幹部を務めているものよ」

「…っ! キリエの幹部だとっ?!」

猛然と車を接近させながら俺に語り掛ける女―F2―は驚きの言葉を発する。そしてハンドルから完全に手を離して車の上に立つと、手にはマシンガンのような銃器を持ちながら更に言葉を紡ぐと宣戦布告を放つ。

アクロシルビアの狙撃を潜り抜け、XANIN頭領・骸忍スコールの影武者撃退…貴方の武勇伝は聞いているわ。大したものだと思うけれど、我々の組織にとってはそろそろ目障り…。申し訳無いけれど死んでもらう事にしたの。ごめんなさいね」

とてつもなく物騒な言葉をさらりと口にするF2。急激な展開に頭がついていかなかったが、ここにきて漸く事態が飲み込めると怒りがフツフツと湧いてくる。それは滾る炎のように熱くではなく、冷え切った水のように心中に広がっていくと、不敵な笑みを浮かべて奴を見返した。

「面白ぇ…正面きってキリエの幹部が喧嘩を売ってくるとは俺の名前も売れたもんだな。一人で仕掛けてくるってのならアンタも腕に覚えがあるって事だろ。いいぜ、相手してやるよ!」

アカツキの事件簿10

叩き付けるように返した俺の言葉にもF2は余裕の態度を崩さない。そればかりかどこか惚けた様子で首を傾げると、クスクスと笑っている。

「あら、私がいつ一人で貴方と戦うと言ったかしら? 流石に私一人で貴方をどうこう出来るなんて考える程、思い上がってはいないわ。それにそういう荒事は嫌いなの。だから…私の代わりに貴方と戦うのはこのコよ」

「ぬぁっ! な、なんだとーっ!」

F2の言葉が終わると同時に彼女の乗る車がバラバラと崩れ出していく。いや、正確には崩れていくのではなく、別の形へと変形を遂げようとしているのだ。そして見る間に車は新しい形を作り上げていくと、そこには大斧を構えて俺を見下ろす巨人が姿を現す。リアルギア、オートボット、ロードボット…様々な言い方があるが、車などの車輌から戦車や飛行機、果ては腕時計や顕微鏡などといった実用品まで様々なものに変形するロボットたちが居る。このF2の駆る車は正にその類のものであった。

「こんなもん相手に出来るかーっ!」

「あら、さっきの威勢の良い言葉はどこに言ったのかしら? それに貴方がやる気であろうと無かろうとこちらは勝手に仕掛けさせてもらうだけ。やりなさい、MR2」

アカツキの事件簿12

F2の指示を受けると同時に大斧を持ったロボット・MR2は手にしたソレを俺目掛けて振り下ろしてくる。丁度橋に差し掛かったところで左右に逃げ場は無い。俺は顔面蒼白になりながらスロットルを全開にして斧の下から脱しようとする。

バキィィィーーーンッッ!!

大斧が橋を叩き、その振動が伝わってくる。俺はその衝撃を受けて転がり出るようにバイクから飛び降りると、バイクは転倒しながらバキバキと嫌な音を立てて横滑りをしていく。ああ、まだローンが残ってる俺の愛車が…。

アカツキの事件簿13

傷だらけになった愛車の事を悼む暇などある訳も無く、俺はすぐさま体勢を立て直すと背中に隠していたバックアップのハンドガンを構える。丁度夜勤明けで今は非番の身。バントラインもミクロドラグーンも基地に置いてある。俺は手にしたハンドガンを握り締めながら見下ろす銀の巨人を見返すと悔しげに呟きを漏らした。

「こんな豆鉄砲でどうしろって言うんだよ…これはまじにヤバイな…」

こんな街中でいきなりドンパチが始まろうというのだ。恐らく直ぐに通報がいって応援がつけてくる事になるだろう。問題はそれまでに俺が無事で済むかという事なのだが…正直そこまで凌げるか自信は無い。

アカツキの事件簿14

その時だった。俺の耳に風を切りながら唸り声を上げる一台のバイクの音が耳に飛び込んできたのは。MR2の動きに注意しながらも肩越しに視線を向けると、反対車線から真紅のバイクが猛然と突っ込んでくる。まるで一陣の紅い風のようだ。

そのバイクのドライバー…どうやら女のようだが、ソイツから橋の上で対峙する俺とこのデカブツの姿が目に入ってない筈は無い。目的を持って近づいてくるのは間違い無いだろう。救援か? しかしこんなに早く通報が届いて出動があるとは思えないし、俺はそのバイクを駆る女には見覚えが無かった。ならば敵方の応援か? だとすれば挟み撃ちになってしまう…最悪な状況を思い浮かべ、俺の背筋に冷や汗が流れる。

アカツキの事件簿15
アカツキの事件簿16

ズガガガガガガッッ!!

女の駆るバイクの側面に括りつけられた機関銃が雷の如き咆哮をあげる。俺は思わず身を竦めてしまったが、その矛先は予想に反して俺にでは無く目の前に立ち塞がる銀の巨人に対して向けられていた。

ガキガキガキキィィンッ!!

放たれた機関銃の弾は機敏にMR2が掲げたシールドによって阻まれて辺りに飛び散っていく。その威力を物語るように弾痕がシールドに刻まれ、自らを倒せるだけの火力を持った敵の登場にMR2は油断無く手にした斧を構えた。

アカツキの事件簿17

(まさかこれほど早く応援が…? これもこのアカツキという刑事が持って生まれた天運というやつかしらね…フフ、面白いわね。ともあれ予想外の介入があった以上、この場に長く留まるのは好ましくない…。今日のところは挨拶だけのつもりであったし、仕切り直しとしようかしら。どうやらL3のいう通り力押しでは駄目のようだし、それならば…)

突如現れた敵、そして交錯する一瞬の攻防を見詰めながら、F2は冷静に状況を分析すると新たな策を模索し始める。俺はその心中を知る事など無く油断無く身構えているとさっと手をあげたF2がMR2に指示を下す。

「MR2、残念ながら引き上げよ。アカツキ刑事、今日のところはご挨拶だけ…いずれまた近いうちに貴方と遊ばせて戴くわ。その時はもっと趣向を凝らすつもりだから期待していてね。…じゃあね」

アカツキの事件簿18

物騒な宣告を残しながら、F2は見る間に車へと変形をしたMR2に乗り込むとその場から逃走を始める。あまりにも素早い引き際に呆気に取られながら、俺はただ黙ってそれを見送るしかない。隣の女も深追いをする事はせず遠ざかるその車を見送っていた。

車が遠く小さくなっていくのを見送ると、漸く緊張した筋肉が弛緩して溜息のような息が口からどっと漏れ出す。そして一つ肩で息をついて自らを落ち着かせると、俺は傍らの女へと視線を向けた。

「フゥ…アンタが来てくれて助かったぜ。礼を言う。けどアンタ一体、何者なんだ…?」

「貴方の事は存じてます。ミッションフォースのアカツキさん、ですね。私はオルガ。本日よりこのシャングリラに赴任する事となったミクロレディ・オルガです。」

赤いミクロスキンに覆われた半サイボーグの外見を持つミクロレディ。彼女は自らの名をオルガと名乗る。それは「ミクロマン救助活動機構」の一員としてその名を知られていた、一人の少女と同じ名前であった…。

・・・・・・・・・・

前編より一月ほど間を置いてしまいましたが「紅の疾風」後編です。とはいえこの話は次の話へのプロローグ部分でもあるのであまり大きなアクションは無く…もうちょいサクサクと話の続きをアップしていきたいですね。次はあまり間を置かずにアップ出来るように頑張りますー(汗

お話の通り今回から新たにミクロレディ・オルガが参戦しました。一応彼女の存在はアカツキの事件簿二話目の冒頭から匂わしていたのですが、予想外に登場が遅れてしまいましたね; 元々「キリエ」という組織はオルガの設定にある「元犯罪組織の構成員であったミクロシスター」というところからその犯罪組織を想像してみたのが始まりだったので、漸く出せたなーという思いです(苦笑

そしてアカツキのこれからですが、F2という魔女が張り巡らせる策により更なるピンチが待っております。今後もアカツキの女難をお楽しみください(笑)

本日はアカツキの事件簿「紅の疾風」(後編)でした。
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この記事のコメント

待ってました!
面白い!
僕本当に「アカツキの事件簿」好きなんですよー。
僕もこんなお話投稿してみたいなぁ。
ぽち
2009-06-23 Tue 16:43 | URL | タカーる #-[ 編集]
第二話キタキタ!
ロードボットにモトスレイブとは!出来ればロボ形態での戦闘も見たかった・・・・。
背景のプレモも相変わらず良い仕事してます(笑)。何気にホットローダーがこっそり大破してますね(笑)。
ポチ!
2009-06-23 Tue 16:51 | URL | misodrill #-[ 編集]
いやっはー、面白いです。
F2の冷静さが不敵です。。。
あとが怖そう・・・・(^_^;
オルガもカッコよす。

一応、中年ライダーなんで、アカツキの転倒単車
がとっても気になります。ローン残ってるのに、
この騒ぎジャー、かなりの大破でしょうし。。。
あ゛ぁ、とりあえず命拾いしたけど、
その後の支払が大変そう。
労災認定か保険が利けばよいのでしょうが。・。。。

今後の展開がめっちゃ楽しみです。
2009-06-24 Wed 21:56 | URL | Koduck #j5rAmYNA[ 編集]
>タカーるさん
拍手有難う御座いますー。応援の声が何より励みになります。拙い話ですがこれからも頑張っていきますね。

>misodrillさん
ロボ同士の戦闘、やれば良かったですね; この時の撮影時間の関係でそこまで撮れなかった記憶があります。いずれ別な形でロボ同士の戦闘はやりたいと思います。ホットローダー、壊しちゃってごめんなさい(笑) 大破させたりまた直したりが容易に出来るのが組み立てブロックの良いところですよね。

>Koduckさん
狙撃、暴動とピンチに見舞われたアカツキを次に襲うのは策謀です。F2の搦め手はアカツキを苦しめると思います。そしてアカツキのバイクは…今晩のエントリが続きとなっておりますw 次回はなるべく早くアップ出来るように頑張りますー。
2009-06-24 Wed 22:38 | URL | ビンテージ #3fSe.YNE[ 編集]

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