ミクロの百日間戦争

ミクロマンやそれにマッチする小物類のレビューなどをつらつらと…

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ミクロマン・アナザーストーリー第一話「カワルセカイ」

カワルセカイ


その男は世界の果てからそれを感じていた。
その音に耳を済ませ、遥か遠くに視線を向ける彼の目には深い思慮の光りが揺らめいている。

かつて彼は、世界の守護者の一人であった。
今は名を捨て各地を流離う彼に、確かに『ソレ』は感じられたのだ。

そして脳裏に浮かぶのは我が子とも思う者達の行く末。
その行く末に思いを馳せながら再び彼は歩き続ける。

彼の進むべき道は今だ険しく、そして果てしなく続いていた…。


*ご注意
この物語はビンテージの妄想垂れ流しのオリジナルストーリーです。
お楽しみ戴くためには幾つかの注意点が御座います。

:この物語はアクロファントムとの戦いで別世界と一時的に繋がった事により、
分岐してしまった並行世界という事となっています。

物語の開始はアクロエンペラーとの戦い以後で、それまでの歴史は大きく変わる部分はありませんが、徐々に歪みは大きくなり、世界は変わって新たな歴史を刻もうとしています。

:ビンテージはパーフェクトワークスやコミックゼロワンは読みましたが、クアントの連載は古本で飛び飛びで読んでいる為に欠けている部分は想像で補っている部分が多々あります。
また意図的にキャラの性格・設定を変えている者も居りますのでご了承ください。


ゼクウとハック


M.I.C.Rアジア支部中央管理局。

ここはアジア各地に散らばるミクロ居住区の情報を統括・管理する場所であり、
今だ各地で燻り続けるアクロイヤーのテロの対処に日夜勤しんでいる前線基地でもある。

その管理局の廊下を、二人のミクロマンが進んでいく。
ミクロ兵器戦争の英雄、マシンフォースのゼクウとハックである。

「まったく…なんでまたこんな人間臭いとこに来なきゃいけねぇんだよ。さっとやる事済ませちまってコミューンに戻りたいぜ」

「そう言わずにさ。時代が変わって、ミクロヒューマノイドの事が公になったんだ。この先、コミューンとしても外界と関わらずに行くのは難しいと思う。その為にトリニティとしても色々と考えて話し合う事にしたんだし」

交差


ハックの宥める言葉にもゼクウは憤りを隠そうとせず、

「それならトリニティやゴドーだけで充分だろ? なんで俺まで来ないといけねんだよ」

「まぁまぁ。ほら、僕も技術面の事でこっちに顔出そうと思ってたしね。
皆出掛けるのにゼクウだけ留守番ってのも可哀想だろ? 
助けると思ってさ、僕の仕事を手伝ってよ」

「はぁ、やれやれだぜ、全く……」

ボヤきながらも肩を竦めるゼクウの様子にほっと胸を撫で下ろすハック。
そんな彼らの前方から、ミリタリーフォースを伴った一人の和服の男が歩いてきた。

「敷島守、只今廻った箇所が管理局を防衛する主な施設となりますが如何だったでしょう?」

「うむ、非常に参考になった。我がミクロエドも厳格な法により犯罪者を取り締まっておるが、
今後更なる凶悪なる賊が現れぬとも限らん。その為に防備は万全なものに致さぬとな」

聞き漏れるその言葉からアジア地区にある居住区の一つ「ミクロエド」の行政関係者であろう事を推察しつつ、
ハックはあまりお目に掛かる事の無いその服装を興味深げに眺めていた。

何かを感じるゼクウ


その男と擦れ違った瞬間、ゼクウの動きがピタリと止まった。
強烈な怖気のようなものを感じたからである。

(なんだ、この感覚…? 吐き気がするようなムカツキ……気にいらねぇ…)

沸き立つ得体の知れぬ感覚に心中で毒づくゼクウ。
その嫌な気配は確かに擦れ違うこの和服の男から感じていた。

そんな彼の異変に気付いたハックが心配げな様子で声を掛けてくる。

「どうしたんだい、ゼクウ?」

そう声を掛けた次の瞬間、信じられないような事態がハックの前で繰り広げられた。

ゼクウ、暴走


「ゼクウ、待てっ」

「ウォォォッ!!」

「な、何を致すか、この痴れ者めっ!」

突然身を翻したゼクウはハックの制止の声を振り切り、
跳躍一番和服の男に飛び掛っていったのである……。

困惑のマシンフォース


数時間後…M.I.C.Rアジア支部中央管理局司令室。

M.I.C.Rのミクロヒューマノイド側運営委員であるハヤテだが、
現在は古代アクロイヤーの動向がより活発化してきたアジア支部で精力的に活動していた。

そんな彼の元に齎された一報に驚きを隠せず、
ハヤテはすぐさま当事者を呼んで事情を検める事にした。

「何故、突然そんな真似をしたんだ、ゼクウ。理由があるのならば聞かせて欲しい」

「…………」

沈痛な面持ちで押し黙るゼクウに困惑を覚えるハヤテ。

ゼクウとはミクロ兵器戦争の頃からの付き合いで、
衝突もした事もあるし、彼の性格の全てを理解しているとも言い難い。

それでも突然このような行動に出た事も、そして今このようにして押し黙っている事も、
ハヤテから見るとゼクウらしからぬ行動としか思えなかった。

「ゼクウ、黙ってないで何とか言え! 
俺とトリニティがやっている事を全て無駄にするつもりか!」

語気を強めて問い詰めるゴドーに対して、
ゼクウの傍らに立つハックが代わりに謝罪の言葉を告げる。

「その、止められなくてごめん…。突然の事だったからさ…」

「ハック、君が謝っても仕方無い。俺はゼクウに聞いているんだ」

「うるせぇな……俺にだって判らねぇよ。
あの時は…咄嗟に体が動いちまったんだからよ…」

それまで押し黙っていたゼクウが漸く口を開くが、
彼自身も己が暴挙に出た理由を掴めず困惑をしている様子だった。

「それは……例のプログラミング・エラーが原因という事だろうか? 
今まではこんな風に他のミクロマンを攻撃する程までの事態は無かったと思うんだが…」

「だからワカンねぇんだよ…。そうかもしれねぇし…」

ハヤテの中で思い当たる只一つの原因。
彼のプログラミング・エラーの事を呟くように口にする。

これが原因で粗暴な行動に出てしまいがちなゼクウだが、
今まで他のミクロマンを攻撃したという事は一回だけ…
状況が掴めぬままミクロ基地に運ばれて、
そこから脱出しようとマスターフォースと戦った時だけである。

しかし、今回の状況はその時とはあまりに違いすぎる。
理由が判らぬままに襲ったというのならばそれは由々しき問題となる。

「ゼクウ……お前は自分が襲った相手がどのような人物かは知っていますか?」

ずっと何事かを考えるように口を開かなかったトリニティが
不意に口を開いてゼクウに質問をぶつける。

それに面を食らったような表情を見せながらもゼクウは頭を振って

「いや、どこの誰かも知らねぇよ。まぁ中央管理局に居たって事は
どこかのおエライさんだろうくれぇは判るから、拙い事をしたってのは理解してっけどよ…」

「そうか…」

ゼクウの返答にまた口を結んで事態を掴もうとするように考え込むトリニティ。
トリニティはゼクウが襲った相手の事を知っているのならば襲う可能性がある事も考えていた。

彼が襲った相手は非道敷島守。
ミクロエドの執政官である「奉行」を務めている人物である。

だがその執政には幾つか疑問視されている部分があり、
特に不敬罪による死刑制度の導入には物議を醸し出していた。

その事を知っているようならばゼクウの行動にも意味が出てくるのだが、
嘘を吐いている様子は全く見受けられず…。

(ならばやはりプログラミング・エラー? いや、そう決め付けるのは早計か…)

「兎も角、ここで問題を起こしたからには例え外部の人間であったとしても厳正な態度で処さなければいけない。
幸い暴行は未然に防がれたが、ゼクウには原因が突き止められるまでは暫くこちらで拘留する形となるが……異論は?」

「…最初から来なけりゃ良かったってのは今更だよな。判った…好きにしろよ」

ハヤテの出した結論に渋々といった態であるが素直に従うゼクウ。
その彼の様子を見ながらトリニティも考えを纏めたようで口を開き、

「彼が問題を起こしたというのならば、それはチームの問題でもあるでしょう。
私はマシンフォースのリーダーとして非道敷島守の元を訪れて謝罪の意向を伝えるつもりです。
ゴドー、君は私と共に同行をお願いします。ハックはゼクウの傍に…
彼が短慮な行動を取らないように気を配っていてください。それで宜しいでしょうか、ハヤテ君」

「おい、俺が短慮な行動ってのはどういう…」

「了解した。トリニティと同行してミクロエドに向かいます」

「了解っ。まぁまぁ、ゼクウ。暫く大人しくしておけって事だからさ」

「ちっ……わぁったよ」

彼らの遣り取りを耳にしながらハヤテもトリニティの言葉に頷いて、

「判った。それではその旨を敷島守に連絡を入れておこう。
これで向こうも謝罪を受け入れてくれれば良いんだが…」

陰謀


同日。ミクロエド・非道敷島守上屋敷。

そこで顔を付き合わせているのは三人のミクロマン…
否、ヒドウ、ムザン、セツナの三人のアクロイヤーであった。

「それにしてもヒドウが襲われたと聞いて聊か肝を冷やしたぞ。大事無いのか?」

「クックッ…ミクロマン達が体を張って儂を守ってくれたからな…お陰で傷一つ無い」

「おやおや、ミクロマンが体を張ってアタシ達を守るなんて皮肉なもんだねぇ。
けど、どうしてそいつは襲い掛かってきたんだい? まさかアタシ達の正体に気付いたんじゃあ…」

「奴らには個体識別コードなる、互いを識別する符丁のようなものがある。
儂等はそれを『術』によって欺いておる訳だが…恐らく彼奴はその手の術に対する掛かりが先天的に弱いのだろう。
なに…奴自身も儂の何に違和感を感じたかまでは気付いておるまい」

ヒドウの推察にムザンは鼻を鳴らして笑い飛ばす。

「ふん…昔からそのような勘だけは鋭い獣じみた者が居ったな。
ならぱそ奴はそういった類という事か」

「そういう事だ…。それよりも今回の事でマシンフォースの頭目であるトリニティが謝罪に訪れたいという連絡があった。
近日中にも会う事になろう」

「へぇ……それは飛んで火にいる何とやらだねぇ。無論、無事に帰す気は無いんだろう?」

セツナの眸に絡みつくような妖婦の視線を感じると、
ヒドウも邪なる毒蜘蛛の如き陰湿な笑みを見せて頷く。

非道敷島守


「皇帝陛下の復活に際して……今度こそ奴等の如き矮小な存在に足を取られる訳にはいかぬ。
その為にも、儂等の手で邪魔立てしようとする者全てを取り除いてくれよう」

その言葉にムザン、セツナの二人が頷くのを見てヒドウは冷酷な宣言を告げた。

「まずはマシンフォース…その頭目、トリニティを我等の毒牙に掛ける」

ショウマ


同刻、ミクロ居住区外れの公園。
その公園に一人の青年の暢気な歌声が響き渡っていた。

「♪う~らの畑にビルが立つ~。ひょ~んな事からハラが立つ~。
そ~らの真ん中に虹が立つ~。お~それ入谷の鬼子母ブタ♪」

そんな暢気な歌を歌う彼がふと顔を上げて空を見上げる。
好天の中、俄かに雲が流れて風が出てきたようだ。

「風が…出てきたな」

ミクロ居住区に吹く風は今はまだ穏やかだが、
それは嵐の前の静けさに他ならなかった…。


{続}


…という事で、俺ストーリー第一話「カワルセカイ」でした。
如何だったでしょう?

お話としては冒頭でも申し上げたように、アクロエンペラーとの戦い以降が変化を起こしていく(実際にはエンペラーとの戦いの中でも細部が違っていたりする)といった展開となります。

今回では早速アクロイヤーXADOとマシンフォースという接点が生まれて参りました。

また各キャラ設定にも変化があり、
今回の中で一番性格が違うと思われるのはムザンでしょうか。

ともあれ気長に続けていこうと思いますので、どうか宜しくお願いします。

今回新たに使った小物類ですが、
ヒドウが着ている着物は「弓道リカちゃんストラップ」のもの。

非道敷島守上屋敷のセットは製本工房の1/12 和室キットです。
必殺シーンの為にはどうしても和室が必要でした…(笑
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フォトストーリー | コメント:6 | トラックバック:0 |
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この記事のコメント

いやぁ本格的ですねぇ。背景があると雰囲気が
出ていいです。アクロヒドウさんの和服がいい味。
こういったアナザストーリーはファンの数分あって
いいと思うんですよね。
今後の展開をタノシミにしています。
(お前の書いてたのはどうした

ところでなんでショウマは山本正之節なんでしょうかw
2007-10-31 Wed 14:56 | URL | Gun0826 #t50BOgd.[ 編集]
ショウマ幾つだオマエ!ってのはまあ置いといて(笑)。
背景もストーリーも本格的ですね!オフィシャルではかませ犬ばっかりやらされてた(笑)マシンフォースの活躍に期待です。
和服ヒドーもギース様みたいで渋いっス!
2007-10-31 Wed 22:50 | URL | misodrill #-[ 編集]
>Gunさん

感想有難う御座いますー。
今まで買い漁ってきた背景を使って、色々と撮影を楽しんでみました。

ヒドウの和服、最初はミクロ側に着けようと思ってたのですがどうもしっくりと来なくて。ならアクロにと探した結果、この人に着せたらピッタリマッチしましたw

アナザーストーリはスローペースになると思いますが、続けていきたいと思いますので楽しみにしててくださいー。

…ショウマは山本さんの大ファンなんです、きっとw
2007-11-01 Thu 15:16 | URL | ビンテージ #3fSe.YNE[ 編集]
>misodrillさん

感想有難う御座いますー。
ショウマの歌は最初バカ○ンでも歌わせようか悩んだのですが、ふと浮かんだこの歌にしました(笑

マシフォ、今までのかませ犬から脱出なるか! 今後の展開を考えると何とも言えない状態かも?(汗

ただ、このアナザーストーリーでは一応メインは民間アサシンフォースの予定ではいますが、それぞれのキャラにもスポット当てつつなるべく多くのミクロマンたちの活躍を描けたらなぁって思ってます。

和服ヒドウ…やっぱりギースに見えますよね? ビンテージもそう思って「烈風拳~!」ってポーズとか取らせて遊んでしまいましたw
2007-11-01 Thu 15:21 | URL | ビンテージ #3fSe.YNE[ 編集]
皆さん仰っていますが、背景が効果的ですねぇ。

ムザンの落ち着いたキャラクターも、良いと思います。
と言うか、デザインからいけば、こちらの方が自然かと。
クアント漫画の、アレはないですよね。

ショウマの口ずさむ歌が…(笑
2007-11-01 Thu 22:23 | URL | 遊慈 #l7BLX0Ck[ 編集]
>遊慈さん

感想有難う御座いますー。
やはりショウマの歌が気になりますか?(笑

アサシンフォース編のコミックは運良く上下共に入手出来たのですが、ムザンの性格には一番違和感が感じまして…。

その他にも幾つか引っかかるところもあって、それら含めて自分なりのストーリーを描けたらなぁっていうのが今回のアナザーストーリーを書く事にした切っ掛けの一つになってるんですよね。
2007-11-02 Fri 01:40 | URL | ビンテージ #3fSe.YNE[ 編集]

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