ミクロの百日間戦争

ミクロマンやそれにマッチする小物類のレビューなどをつらつらと…

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アカツキの事件簿コラボSP「CROSS×MISSON」1

3

*前回はコチラから。
*今回のストーリーはmisodrillさんの「玩具劇場ガンバランス」様とのコラボストーリーとなっております。そちらも合わせてお楽しみください。ホタルミSIDEの話はコチラとなります。

パシャパシャと跳ねる水音を狩人が追う。日も満足に差し込まぬ薄暗い地下水路で、返り血に染まったような赤い衣服に身を包んだ寡黙な賞金稼ぎ・ディーンは、自らの獲物を追い詰めていた。手にはベレッタM93Rオート9。ロングバレルのその銃口に睨まれたが最後、今追い詰めている獲物の命は確実に奪われる事だろう。

しかし前方を走る獲物の足音が俄かに変わる。先程まで纏わりつく水音を跳ねていた足音が止まり、カツカツと堅いものを踏みしめている音へと変わったのだ。気配を消しながら慎重に獲物へと近づいていたディーンだったが、その変化に気がつくと舌打ちしながら駆け出していく。

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「クッ……ハァ…ハァ…」

荒い息を吐きながらも、ディーンに追われていた獲物は地上へと這い出してくる。「あの場所」から逃げ出して既に何日が経過した事だろうか? 最初は連中の子飼いの部下が、そして今は賞金稼ぎが執拗に追い掛けてくる。

助けを求めようにも、彼のその手を取ってくれる者はこの世界には皆無であろう。体力は最早尽きかけ、足元もふらつきそうになるが、それでも生への渇望が彼を突き動かしていく。そして彼は手近に落ちていたボロ切れを手にして体を覆うと、身を翻して街中へと逃げ込んでいく。

7

「チッ…地上に逃れたか」

珍しく感情を露にするように傍らの壁を殴りつけたディーンが天を仰ぐ。この地下水道の上に広がる街に獲物が逃げ込んだというのは少々厄介な事だ。そこに在るのはアジアブロック第108ミクロ居住区というミクロタウン。しかしその名で呼ぶ者は少ない。

人々はこう呼ぶ。ここはこの世の最果て、悪党達の天国。
鬼の棲む街「鬼蓮街」と…。



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1

「ハァッ!」

「フッ!」

朝靄と静寂に包まれた森の中で、二人の気合が木霊する。バントラインを振るう俺の一撃をワイラーのナイフがしっかりと受け止め、ぶつかり合った二つの得物が激しく火花を散らした。

ここはシャングリラ郊外の森。軍事施設「ストライクベース」の近くで、俺は彼―ストライクフォースの隊長・ワイラーから近接戦闘の特訓を受けていた。

影武者の骸忍スコールアクロタロス、そしてアサシンフォースのあの男…。奴らとの戦いを重ねた俺は、白兵戦技術向上の必要性を痛切に感じ、ナイフコンバットの師匠であるワイラーに毎日の特訓を申し出て、彼はそれを快く承諾してくれたのだ。…と言っても今になってはその事を聊か後悔してるが。何せ非番の日はおろか、宿直勤務以外の朝もこうして仕事前に特訓を受けている。お陰で体中のアチコチが痛くてたまらない。

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一進一退の攻防が続き、時に正攻法で、時にフェイントを織り交ぜながらワイラーに切り込んでいくが、相手は百戦錬磨のツワモノ。彼の攻撃を何とか捌ける事は出来ても、こちらの切り込みも中々有効打をもぎ取る事が出来ない。そして疲れから来る一瞬の隙を衝かれると、腕を捻りあげられ首元にナイフを突きつけられてしまう。

「まだまだだな、アカツキ。これが戦場ならば死んでいるぞ」

「くっ、チクショウ…」

歯噛みする俺をパッと離して向き合うワイラー。彼の口が開かれると、冷静に俺の欠点が指摘されていく。

「オマエは力押しで一気に攻め込んでいくタイプじゃなく攻撃の組み立てで徐々に相手を追い込んでいくタイプだが、少々攻撃が小奇麗すぎるな。それだと格上の相手に対しては中々隙を見出す事は出来ん。それとオマエはいざとなると例の能力…『アウェーネス』といったか。あの能力に頼る癖がある。アレは死に繋がる攻撃で無ければ発揮出来んものだろうし、そもそも博打性が高すぎる。いちかばちかの戦いを続けていると何れ命を落とすぞ」

「うっ…」

「とは言え、自らの能力を鍛え上げるという事は必要な事だ。我々ミクロ生命体の能力は使い込めば使い込む程向上していく性質があるからな。頼りすぎるのは危険だが、死線を見極めつつ冷静な判断を繰返していけば、今より精度が上がる可能性はあるだろう」

攻撃パターンについては納得して頷きながら、もう一つの忠告、俺に備わる特殊な能力―死の気配を読む能力について考えを巡らせる。『アウェーネス』を鍛えていく、か。俺も出来ればあの能力に頼る状況は勘弁して欲しいんだが、状況がそれを許してくれない事も多い。どうにか命を落とさずに上手く付き合っていくしか無いんだろうが…。

4

「さて、今朝はこれくらいにしておくか。アカツキ、オマエは今日の予定はどうなってる?」

「俺はこれから仕事っすよ。ワイラーさんは?」

「俺は今日から休暇だし、鬼蓮街に買い物に出かけようと思ってな。オマエが暇だったら付き合って貰おうかと思ったんだが」

鬼蓮街…その物騒な名前を聞いて俺は眉を聊か顰める。シャングリラがアジアで一番治安の悪いミクロシティなら、さながらあそこは世界一治安の悪いミクロタウンだ。そこは10の犯罪シンジケートによって実質治められていて、その一部はシャングリラの犯罪組織とも癒着がある。俺に取っては忌まわしい場所の名前といえるだろう。

「ワイラーさん、あの街に出入りしてたんすか?」

「ああ。あそこじゃないと手に入らない物とかもあるしな」

「あそこは物騒だから気をつけてくださいよ…って、まぁワイラーさん相手に忠告する事じゃないかもしんないすけど」

「フッ、あの街なら行き慣れているから安心しろ」

1

鬼蓮街【ヂートゥタウン】…それはホタルミ(東京湾)より西、シャングリラ(日本海を挟んだ大陸側)よりやや北にあるミクロタウンである。半地下型のこの都市は大まかに分けて比較的平穏な地上層、逃げ込んできた犯罪者や様々な犯罪組織などが入り混じる中間層、そして一攫千金を狙うヤマ師や非合法な実験を行う軍隊、地下から出土する古代の遺物を研究する施設が立ち並ぶ最下層の三層に分かれている。

その中間層の片隅。裏路地に入った奥まった場所にひっそりとバー「R.I.P」は開いていた。情報屋兼売人であるオボロが開くその酒場には、ミクロマン・アクロイヤー問わず様々な人種が訪れて賑わっている。そもそもこの街に住む多くの者達は脛に傷持つ身。それ故に生まれの違いなど気にする輩は少ないようだ。

追い詰めていたターゲットを逃してしまったディーンも情報を求めて「R.I.P」を訪れていた。ディーンは真っ直ぐにカウンターに向かってオボロの前に座ると、彼の方から気さくに声を掛けてくる。

3

「おお、ディーンか。久しぶりじゃねーか」

「情報が欲しい」

「おいおい。ここは酒場だぜ。『呑め。さもなければ出てけ』ってヤツだ。まずは一杯注文しろよ」

「…いつものヤツ」

「クッ、全然顔出さねぇヤツの『いつもの』なんて忘れちまったよ」

苦笑いしてそう言いながらも、オポロは慣れた手つきでディーンが頼むいつもの銘柄をカップに注いで彼の前へと差し出す。それを手にして少しだけ口をつけたディーンは早々に用件を切り出した。

「獲物を追っている。1時間程前にこの街へと逃げ込んだ。容姿は特徴的だが俺が知っている限りではどのミクロマンともアクロイヤーとも似通っていない。恐らくこの街にツテは無い筈だ。コイツの情報を集めて欲しい」

そしてディーンがターゲットの特徴を細かく伝えると、聞き終えたオボロは気になる点を一つだけ確認する。

「ちなみに依頼はどこから出てるんだ?」

「…守秘義務だ」

「聞かせて貰えた方が情報も集め易いんだがなぁ。なら多少時間が掛かるかもしれんが勘弁してくれよ」

「なるべく急いでくれ。判り次第、俺に連絡を寄越せ」

「あいあい」

1

人を喰った返事を返したオボロはディーンに背を向けるとどこかへ連絡を取り始める。ディーンはカップに再び口をつけて残った酒を呷ろうとするが、その時ふと目の端に何かを見詰めて視線を向ける。それは威圧的な気配を周囲に振り撒く、異形のアクロイヤーの姿であった…。

{続}

一年ぶりとなりますが今年もやります、misodrillさんとのコラボストーリー! 現在の段階では全何話になるか判りませんっ(笑) 舞台となるのはホタルミやシャングリラだけではなく、コラボ用に設定された「世界で最も危険な街」鬼蓮街でも繰り広げられます。果たして交錯した物語はどう結末するのか、楽しんで戴ければ幸いですっ。

本日はアカツキの事件簿コラボSP「CROSS×MISSON」第一話でした。
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この記事のコメント

ついに開幕ですね!とりあえずこちらも後半のストーリーを必死に作ってます(笑)。

オボロとディーンの会話が雰囲気出てて良いですねー。特にオボロのキャラ、好きです。
最初の下水道のシーンも凄くそれっぽくてグです!
ポチ!
2010-01-15 Fri 14:11 | URL | misodrill #-[ 編集]
始まりましたね~!
ミソドリルさんとのコラボ・ストーリー、とても楽しみにさせて頂いてます^^

いつもの事ながらシーン創りが(私的には、特に3枚目の写真とか)うまく空間を再現されていて凄いな~と思います!

どんなシーンでも再現しうる処が、ミソさん共々凄いなと^^ ポチw
2010-01-15 Fri 20:25 | URL | mrボンクレー #-[ 編集]
>misodrillさん
拍手有難う&コラボ宜しくお願いしまーす。オボロ、忍者の実力隠しながら普段は割と飄々とマスターしていますw 下水道シーン、足下に水もちゃんとあるんですけど映ってません(笑

>ボンクレーさん
拍手有難う御座いますっ。遂に始まっちゃいました。最後まで楽しんで戴けるように頑張りますー。ビンテージの場合は加工とか上手く出来ないのでアレコレ誤魔化しつつ撮影しております(汗) 
2010-01-15 Fri 20:57 | URL | ビンテージ #3fSe.YNE[ 編集]
いや~楽しみにしてました!最後のコマ、いきなり
戦闘力ボスキャラクラスと思われる緑色の悪魔が
映ってるんですけど…。オボロさんもかっこいいですね!
続き、楽しみにしてます!!
2010-01-15 Fri 22:09 | URL | 六畳一間 #WzzJX4NY[ 編集]
いやー、こちらも始まりましたねー!!\(^o^)/

それにしても、背景とか小道具とかもー雰囲気出まくりスティーで、凄いです。
(コダは背景一切ナシですので。。。)

シリアスな展開が、楽しみです。
(大作な予感♪)
2010-01-15 Fri 23:39 | URL | Koduck #j5rAmYNA[ 編集]
ワイラーさんも何だか今回の一大事に巻き込まれそうな予感。
早速、オボロが出て来てますね。
最後の写真は……あら、こっちではもう出会うとは。
2010-01-16 Sat 09:28 | URL | かるる~ #7qy4PQE2[ 編集]
>六畳さん
お待たせしましたー。一年ぶりになりますが頑張りますっ。緑のお方は今回のキーパーソンの一人ですね。その圧倒的な戦闘力を堪能して貰えると思いますw

>コダさん
プレイセット病のビンテージなのでここぞとばかりに使ってます(笑) 今回は今までの中でも一番シリアスかも? 刑事ドラマである意味お約束の展開の一つを行くと思いますw

>かるる~さん
オボロは実は他のキャラよりも前に出来ていたのですけど順番が遅れて直前のアップになってしまいました。今回はそれぞれのキャラが様々な場所でクロスしていく展開です。お楽しみにー。
2010-01-16 Sat 18:24 | URL | ビンテージ #3fSe.YNE[ 編集]
うひゃーーーー
やっぱビンテージさんの物語はこってるし小物が多いから見ていて楽しいですなぁ

こりゃ続きがきになるです
2010-01-16 Sat 20:50 | URL | カメレオン #-[ 編集]
>カメレオンさん
楽しんで戴けたら何よりです。今回はアップする日が少し変則的になるかと思いますが最後までお付き合いいただければ幸いです。
2010-01-17 Sun 00:47 | URL | ビンテージ #3fSe.YNE[ 編集]
背景のセットと小物の演出が、いつもながら素晴らしい!
加えて鬼蓮街という無法地帯の雰囲気が酒場をとおして伝わってきます。激シブです。

この後の展開にも期待です!
2010-01-17 Sun 15:23 | URL | タダロイヤー #-[ 編集]
>タダロイヤーさん
鬼蓮街はmisodrillさんとの打ち合わせをしている中で大分シビアな街になったのですが、その後の住民帳で更にカオスさが加えられましたw その設定をストーリーでも生かしていきたいですー。
2010-01-17 Sun 23:04 | URL | ビンテージ #3fSe.YNE[ 編集]

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