ミクロの百日間戦争

ミクロマンやそれにマッチする小物類のレビューなどをつらつらと…

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アカツキの事件簿コラボSP「CROSS×MISSON」2

4

*前回はコチラから。
*今回のストーリーはmisodrillさんの「玩具劇場ガンバランス」様とのコラボストーリーとなっております。そちらも合わせてお楽しみください。ホタルミSIDEの話はコチラとなります。

「ん? どうした、ディーン」

ふと、ディーンが店内の何かに注意を引かれて首を巡らせている事にオボロは気付く。彼の視線の先にあるのは一人のアクロイヤーの姿。目を引く程に巨大な左腕を持つその姿は店内で異彩を放っている。

「…初めて見る顔だな。何者だ?」

「クク。久しぶりに顔出したクセに、初めて見る顔も無いものだが……確かに常連じゃあないな。アイツはアクロデウス。どうやらホタルミから流れてきたようだな。残念ながら賞金は掛かってないぜ。まだあまり表には出てない連中だからな」

クツクツと喉を鳴らすように笑うオボロを一瞥しながら言葉の内容を吟味する。殺り合えば中々楽しめそうな相手だが、賞金が掛かっていないならば今は用は無い。それよりも逃げた獲物を追い掛けるのが先決であろう。見たところ凶悪さが滲み出ているようなアクロイヤーなので何れトラブルでも起こすかもしれない。その首に値が付けられた時には…そう夢想してディーンは鮫のように笑う。そして興味を失ったように視線を戻すと杯をグビリと煽った。

ディーンがデニスに対して注意を向けたのはその一瞬だけ。だがその一瞬だけでデウスにとっては充分だった。彼の気配を感じたデウスがゆらりと動き出すとディーンの背後へとやってくる。後ろに立ち、見下ろしてくるデウスに対してディーンは振り返る事はしない。その二人の様子にカウンター越しのオボロが苦笑交じりに仲裁の言葉を掛けてくる。

「おいおい、穏やかに呑んでくれよ? この店で騒ぎは御免だぜ」

「見ていたな…俺を…」

「…………」

1

オボロの言葉を全く無視してディーンに注目するデウス。ちらりと視線を向けられただけで挑発されたと思い込むとは、随分と厄介なやつだなとディーンは内心呆れていた。

しかしディーンは勘違いしている。デウスは飢えていたのだ。自分を満足させてくれる相手に。ホタルミを離れ、戦いの衝動を満足させてくれる場所を求めてこの鬼蓮街へとやってきた。この物騒な街でならば自分の闘争本能を満たしてくれるだけの敵と巡り合えると信じていた。しかし実際にはデウスがこの街で出会ったのは戦いにもならぬ雑魚ばかり。凶悪な戦闘力を保持するデウスとではあまりにも釣り合う相手が居ない。

それ故に彼は飢えていた。ヒリヒリと焼け付くような戦いに。その滾りを沈める為にこの店で酒を煽っていた。そんな矢先に感じたのだ。自分を満足させてくれるだけの闘志を内に秘めた相手を。そうしてデウスはディーンの背後に立っていた。

「…貴様。闘え、俺と…」

「…闘う理由が無いな」

「理由…? 必要なのか、そんなモノが? 一つの餌場に飢えた獣は二匹、共には居られまい。牙を持つ者同士が互いの姿を認めたならば、後は互いを喰い合うのみ…違うか?」

ゆらりと、殺気が立ち上る。それを鋭敏に感じ取り、ディーンは自らが抜き差しのならない状況に置かれている事を察した。話し合いの通じる手合いでは無い。理屈も何も関係無く、背後の相手は戦う事を自然だと考えている。その殺気はまさに爆発する寸前の気配なのだ。

そしてディーンが席を飛び退いて銃を抜くのと、アクロデウスの豪腕が振るわれるのは同時であった。間一髪避けられたその拳はそのまま床へと叩きつけられ、あろう事かそこを叩き割ると、迫り上がった床はカウンターまで真っ二つに割ってしまう。その上に置かれたものは辺りに散乱し、弾き飛ばされたモノが次々と散っていく。

2

突然始まった喧騒に辺りは騒然となり、次の瞬間我先にと客達は出口に向かって殺到する。幾らこの危険な街でも、否、この街に住む住民であるからこそ皆命が惜しい。関わりの無いトラブルに巻き込まれるのは御免と一斉に逃げ出していく。…中にはこれ幸いと飲み代を踏み倒すつもりで逃げ出す者も居るかもしれないが。

「あっ、馬鹿やろーども、金払っていけー! ちくしょう、ツケにしておくから必ず払えよっ。てーか、オメーラやめやがれ! 俺の店をぶっ壊す気かっ」

カウンターの裏に隠れたオボロが叫ぶが、ディーンはそれに構っている余裕は無いし、アクロデウスは彼の存在を最初から気にも掛けていない。客が居なくなり流れ弾の心配無くなった(二人ともそんな心配をする性格では無いが)店内をディーンは左右に動き回りアクロデウスの放つ熱核ブラスターを避けると、胸元・太股・顔面へと立て続けに弾丸を叩き込むが、不可思議な力場に弾丸は阻まれてしまう。

3

(バリアーか? 攻撃も防御もあの左腕が基点となる訳か…。跳弾させて死角を狙うか? いや、そもそもこのままアイツと殺り合う理由が無いな…)

ディーンが避けた熱核ブラスターの光条が壁を焼いた為にスプリンクラーが作動し、たちまち辺りは噴出す水流で視界が悪くなる。ディーンはその隙をついてカウンターを飛び越えると、隠れていたオボロと顔をつき合わせる。

「派手にぶっ壊しやがって! ディーン、弁償して貰うぜ!」

「…俺から仕掛けた訳じゃない。弁償ならアイツにして貰うんだな」

会話の最中も立ち上がって牽制の射撃を放つと、お返しとばかりにブラスターが撃ち込まれてくる。その熱線で棚に並んだ酒瓶が溶けると辺りはアルコールの匂いに包まれた。

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「安心しろ。俺もこのまま撃ち合いを続けるつもりは無い。それよりもさっきの件、頼んだぞ」

「フザけるなよ、全く…。ああ、判ったからさっさと出てけ!」

しゃがみ込み、先程の依頼の確約を取り付けると、ディーンはカウンターの裏を駆け抜けて裏口へと走っていく。そこで一度振り返ってデウスの注意を引くように弾丸を連射すると、挑発するような笑みを浮かべて表へと飛び出していった。

(…いいだろう。戦う理由は無かったが、ここまで喧嘩を売られて大人しくしていられる程、俺も優しい性分じゃない。それ程に殺り合いたいのなら相手をしてやる。問題は場所だ…。誰にも邪魔されず戦える場所……あそこは廃屋か?)

背後に迫るデウスの気配を感じながら辺りに目を走らせたディーンの視界に打ち捨てられた感のある廃屋がとまる。そこに目星をつけると、ディーンは路地を駆け抜けながら、デウスを引きつける形で廃屋の中へと飛び込んでいった。





3

ワイラーさんとの訓練を終えた俺はオートバジンを駆ってシャングリラの中心部―M.I.C.R基地目指して走っている。それにしても体の節々が痛い。あの人、あれで手加減してるつもりなんだろうけどそもそもの鍛え方が違うからなぁ…。

しかし白兵戦のスキルが着実にレベルアップしている手応えは感じている。これからも手強いアクロイヤー達との戦いは繰返されていくだろうし、今のこの体の痛みがいずれ俺を救ってくれる証になると信じて頑張るしかない。

1

「ウィースッ」

特訓をしているのは何となく(照れ臭さもあって)皆には話していないので痛む様子は億尾にも出さぬようにして軽い口調で挨拶すると、中央司令室に居たミサリー・ディートン・オルガが口々に朝の挨拶を返してくれる。そこで気がついたのだがアレンさんの姿が無い。今日は非番では無い筈だし、いつも俺より先に出勤しているのでこういう光景は珍しい。その様子に俺が小首を傾げていると、オルガが何か言いたげに近づいてくると突然俺に頭を下げた。

「あの、アカツキさん…。残務処理などもあって言うタイミングを逃してしまっていましたが…先日は申し訳ありませんでした。あれだけ大口を叩いたにも関わらず容疑者を取り逃がしまい…」

「おいおい。そんな事今更だし、逃しちまったのは俺も同じだぜ。責任を感じるのは判らなくもねーけど、俺に謝る事じゃないな。同じミスをしないようにして次は必ずとっ捕まえればいいだけのこった」

「いえ、謝罪したいのはそれだけではなく…。確かに、あの時アカツキさんの仰るように私は冷静ではありませんでした。後で振り返って、やはり『キリエ』を相手にするという事で意気込み過ぎていたのだろうと思います。その為にアカツキさんのアドバイスを素直に聞き入れる事が出来ず…本当に申し訳ありませんでした」

元々は生真面目であっても怒りに我を忘れるようには見えないオルガの事だ。一人になって冷静に振り返ってみて色々と思うところがあったのだろう。それでもまだ彼女の中には割り切れない葛藤が在り続けているとは思うが、それを乗り越えようと懸命になる彼女を励ますように軽く肩で手を弾ませる。

「なんだかんだ言ってもオルガにとっちゃ初任務だったんだし、俺と組んで仕事をするのも初めてだったんだ。反省点が見つかるのは仕方ないだろ。これからもっと相互理解を深めていってチームワークを円滑にしていけばきっと上手く行く筈だ。そういう事で宜しく頼むぜ、オルガ」

「は、はいっ。宜しくお願いします」

そう言って差し出した俺の手をおずおずと握り返してくれるオルガと堅い握手を結ぶ。その時ふと誰かの視線が向けられている事に気がつき顔を巡らせると、何故だか驚いたような様子でミサリーが俺達の事を見詰めていた。

2

「どした? ミサリー」

「えっ! いえいえいえ、なんでもないですぅ」

「そっか。ところでアレンさん、どうした?」

慌てた様子で手を振るミサリーの様子に思わず笑みを零しながら先程浮かんだ疑問を口にすると、返ってきたのは既にパトロールへと出かけたという答えだった。いつもは誰かと組んでパトロールに出かけるのに…そう思った瞬間ピンとくる。アレンさんが一人でパトロールに出かけたのは途中で「教会」に寄るつもりだからだろう。それなら今は再開発地区辺りを周っている筈だから…。

「OK、んじゃ俺もパトロールに出てくるわ。途中でアレンさんと合流する。昼頃までには帰るからそれまでこっちは頼むぜ」

仲間にそう声を掛けて中央司令室を後にした俺は再びオートバジンに跨ると街中へと飛び出していく。この時シャングリラはまだ平和であった…。

{続}

いきなり謂れも無い戦いに巻き込まれたディーンと、平和なシャングリラパートの第二話です。ディーンのお相手はボル先生に生み出された凶悪なアクロイヤーであるアクロデウス! 果たしてこの強敵相手にディーンはどうするのか。次回はいよいよストーリーのクロスポイントとなります。お楽しみにー。

本日はアカツキの事件簿コラボSP「CROSS×MISSON」第二話でした。
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この記事のコメント

うーん、、、見応えあるワぁ~。

デウスさん、物騒杉。。
所構わずなんですね。。。
(修理代請求しても、相手にされないんだろうし)

>この時シャングリラはまだ平和であった…。
ごぉぉぉおおお、めっちゃ気になる終わり方っすね。
早く次が見たいです!!
2010-02-06 Sat 02:20 | URL | Koduck #j5rAmYNA[ 編集]
まってましたぁ!!しかし、ディーンさん、核熱ブラスター
VS拳銃…この時点で勝ち目が無い気がするのはオレだけか?(笑)
何気にシャングリラの町並みと前回の鬼蓮街の
景色とのギャップがお見事!
2010-02-06 Sat 09:01 | URL | 六畳一間 #la5PUrQg[ 編集]
オボロさん、いきなり大とばっちり(笑)。こう見るとデウスは迷惑以外の何者でも無いですね。
平和なシャングリラとエラいこになってる鬼蓮街のギャップが見事です!新アイテム、バジンさんの活躍はあるのかな?
ポチ!
2010-02-06 Sat 09:55 | URL | misodrill #-[ 編集]
燻る闘志はホントにお店に火を付けてしまうとはw
>シャングリラはまだ平和であった…。
お、シャングリラにも一波乱有り?
アカツキの行方にも注目です。
2010-02-06 Sat 10:34 | URL | かるる~ #7qy4PQE2[ 編集]
>コダさん
デウスは歩く火薬庫っぽいイメージですね。いつでも引火・爆発するぜ!みたいなw タイトルは「アカツキの事件簿」なので当然アカツキも事件に絡んできます。次回以降も頑張りますー。

>六畳さん
端からデウス相手と判っていたらそれなりの装備をしてくるでしょうがこの状況だとディーンは厳しいですね。一応シャングリラは都会のイメージなので街並みはかなり違いますね。

>misodrillさん
拍手有難う御座いますー。ディーンも狂犬っぽいところがありますが今回は面喰っているようですw バジンは今回活躍の場がありそうな予感です。

>かるる~さん
オボロにとっては火はつけられるわ、物は壊されるわ、呑み代を踏み倒されるわ、いい迷惑です(笑) アカツキは今のところのんびりモードですが…w
2010-02-06 Sat 16:03 | URL | ビンテージ #3fSe.YNE[ 編集]
相変わらず、魅せつける展開ですね~!

デウスとディーン、彼らは戦う定めの中にいるのでしょうか~!!?(う~ん、二人ともかっこいいな~!)

何気にオボロさん、店内戦場と化しているのに割と動じずに対処している処がさすがです^^

一方、中央司令室の展開が割とホノボノですね
オルガって性格が、良さげ^^  ぽち!
2010-02-06 Sat 20:59 | URL | mrボンクレー #-[ 編集]
>ボンクレーさん
デウスとディーンは似た者同士ですね。ある意味意気投合してるんだと思いますw オボロは荒事には慣れてるので(店が壊れる事以外は)落ち着いてますね。シャングリラは…嵐の前の静けさかな?(笑
2010-02-07 Sun 00:31 | URL | ビンテージ #3fSe.YNE[ 編集]
鬼蓮街とホタルミとがクロスする中、更にシャングリラまでクロスしてくるとなると…
成る程確かに、もっと大きな話になりそうです。
これはアカツキさん海外出張フラグ…?

そしてディーンさんとオボロさんが大人の男すぎる…
こんな台詞を書けるビンテージ様を尊敬しまくりです。

次回も楽しみにさせていただきつつっ。
2010-02-07 Sun 22:47 | URL | YUKI #a.FsQ20E[ 編集]
>YUKIさん
今回は事件の背景が色々絡み合ってるのであちこちに飛び火しそうな気配ですね。ディーンとオボロは意外とウマが合ってますw 次回も頑張りますー。
2010-02-08 Mon 22:54 | URL | ビンテージ #3fSe.YNE[ 編集]

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