ミクロの百日間戦争

ミクロマンやそれにマッチする小物類のレビューなどをつらつらと…

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アカツキの事件簿コラボSP「CROSS×MISSON」3

3

*前回はコチラから。
*今回のストーリーはmisodrillさんの「玩具劇場ガンバランス」様とのコラボストーリーとなっております。そちらも合わせてお楽しみください。ホタルミSIDEの話はコチラとなります。

凶悪なアクロイヤー・アクロデウスを引き連れる形でディーンは目についた廃屋へと近づいていく。その廃屋に到着する寸前、背後からの気配の僅かな変化に気付いて身を屈めると、その頭上をレーザーが突き抜けて廃屋の壁を撃ち抜いた。

「…………」

周囲の被害を一切歯牙にかけぬそのやり方。だがディーンもまた獲物を狩る為ならば戦いの場は問わぬ性分なのでその事自体に驚きもしない。しかしアクロデウスとやり合う為には今の武装では真正面からは難しい…その為にディーンはレーザーがぶち開けた壁の穴から廃屋へと踊り込む。

壁が崩された事でもうもうと土煙が立ち上がり、束の間視界を不鮮明にする。その煙の中を掻き分けながら廃屋を突き進んでいくと再び背後からレーザーが放たれて正面の壁を穿った。アクロデウスにとっては牽制の一撃なのだろうが、当たれば即昇天間違い無しの一撃である。

土煙が視界を覆っている内に遮蔽物の陰へと隠れようとディーンは石壁を飛び越える。そこでディーンは予想外の事態と遭遇してしまう。その石壁の裏に既に先客…まだ少女と言っても差し支えない程の年頃のミクロレディの姿があったのだ。

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「………」

見たところ廃屋に住み着いた浮浪者といった身形では無い。ならば何故このような廃屋に居るのか。その疑問が口に出るより前に、少女の口から問い掛けが為される。

「ディーンさん、あれは一体何者だい?それに賞金稼ぎのアンタが何で賞金首でも無い相手と戦っているんだ?」

ディーンはサングラス越しに訝しい目で少女を見返す。何故この少女は己の名を知っているのか。

「…何故俺の名を知っている? オマエ、何者だ?」

「中東のカリキュラムでは、質問を質問で返せって教えてるの?」

「そんな古い話などもう忘れた…まあ良い。アイツの名前はアクロデウス。それ以外は知らない。何故戦ってるかは………あっちに聞いてくれ」

どうやら相手はこちらの経歴についてまで知っているらしい。その事から彼女の素性を推察してみるが、問われている内容自体は隠し立てする必要も無く簡潔に答える。そうして少女と言葉を交わしている最中、壁の向こうからデウスの割れ金のような声が響いてくる。

「隠れるな!!出てきて俺と戦え!!」

「…訂正、もう一つ知っている事があったな。どうやら相当オツムの箍が外れているらしいという事だ」

フッと嘆息しながら付け加えるディーン。その時、目の前の少女が急に辺りを伺い出した。まるで何か忘れていた事に気付いたように。そして壁の端から顔を出して少女が呆れたような一言を呟くのを耳にすると、ディーンもその壁の向こう側を覗き込んでみて…ほう、と感嘆を漏らした。

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「今日は酷い厄日だと思っていたが……どうやら、まだ俺にはツキがあるようだな」

視線の先には一人の少女と共に、追いかけていた標的―実験体203号がいる。幸い実験体はこちらに背を向けており、まだ気付いていない。そして、この距離なら外しようが無い。ディーンは手にしたハンドガンをターゲットに向け、引き金を引いた。

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だが、その直後、信じられない光景をディーンは見た。
ターゲットの傍らにいた少女―――ナギサが、彼を庇ったのである。

「あつっ!い、痛っ......」

お尋ね者で異形の存在である実験体を、身を挺して庇うものがいるというのは、賞金稼ぎとしてかなりの年月を過ごしてきたディーンにとっても想定外だった。それだけではない。銃弾を撃ち込まれた彼女は多少痛がる素振りは見せながらも、出血する事無くその場所を擦っているのだ。周囲には彼女のものと思しきアーマーが散乱しており、身に付けているのはミクロテックスキンのみに見える。ディーンが手にしたオート9ならば確実に撃ちぬく―それどころか爆ぜたとしてもおかしくないのだが…。思わずディーンは彼女を凝視してしまう。

「こ、こんナ所まデ!?」

ナギサの異変に気付き、振り向いた実験体がディーンを認める。気付かれた事に舌打ちをしながら第二射を撃とうとするが、それよりも早く実験体は立ち上がり、崩れた壁の向こうへと背を向けて逃げ出した。その背中を追い掛けてディーンも走り出す。背後で誰か何かを叫んでいたようだが、この際構っている暇は無い。

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混乱の最中にある廃屋から実験体を追い掛けて表に飛び出したディーンだが、彼が見たのは通り掛ったトラックの荷台に乗り込み逃走を図る実験体の姿であった。再び視界から遠ざかろうとする実験体の背を凝視しながら、ディーンは素早く次の手―トラックのナンバーを確認すると、携帯を取り出してコールをする。

「…オボロか? 俺だ。今から言うナンバーのトラックが現在街中を移動中…街のゲートを通る筈だ。そのトラックの行き先を至急調べてくれ。ナンバーは…」

実験体が乗り込んだのは長距離輸送用のトラックに見えた。ならばこの街から一刻も早く遠ざかりたい実験体はそのまま次の街まで逃げ込む可能性が高い。そう判断したディーンは無理な追い込みは止めて行き先を調べる事にしたのだ。そして程無くしてオポロから返信のコールが入ってくる。

「その車が向かう次の街が判明した。シャングリラだぜ」

「シャングリラ…」

アジア最大のミクロシティ。その中に逃げ込まれると探し出すのは相当厄介な事になる。出来ればその前にヤツを捉えたいところだが…。そう考えながらコールを切り、その場を後にしようとするディーンは今だ喧騒の収まらぬ廃屋のほうに一瞥をくれた。

(先程あの場に居た二人…あいつ等恐らくはM.I.C.Rの者か。奴らに手を出したならばアイツも賞金首になる筈。その首にきちんと値がつけられた時は、改めて相手をしてやろう…。その時を楽しみにしているんだな)

脳裏に異形の左腕を持つアクロイヤーの姿を一瞬思い浮かべると、それを意識の外へと追い出してディーンは走り出す。今は為すべき事―あの実験体を追い掛けるのみ…。

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この時、廃屋で起きた一連の騒動を数ブロック離れた場所から様子を伺っている者達が居た。ストライクフォースの隊長であるワイラーと、その友人であるミクロアニマル・アインである。彼らは遠く響いて伝わってくる爆音に耳を傾けながら、まるで世間話のように何事も無い口調で言葉を交わす。

「相変わらず騒がしい事この上無いな、この街は」

『それでこそ鬼蓮街というものだ。しかし今日のは少し派手だな。どっかのシンジケートが爆竹の投げ合いでもしてるのかもしれん。どれ…』

アインはスピーカーからの音声では無く肉声で大きく遠吼えを始める。すると程無くして街のあちこちから呼応するように遠吼えが返ってきた。その内容を聞き分けたアインは納得したように頷きながらワイラーに説明を始める。

『どうやら妙なアクロイヤーが一人大暴れしているようだな。R.I.Pという酒場の裏手辺りだ。普通ならばその内警察がやってきそうなものだが、あの辺りは廃屋などが多い、半ば打ち捨てられた土地だからな。おっとり刀で警察が駆けつけた頃にはどうなっている事やら…』

「フム…」

一通りの説明を聞いたワイラーは一つ息を漏らすと矢庭立ち上がる。そのワイラーを巨躯を見上げながらアインは問い掛けた。

『行くのか?』

「ああ、そろそろ戻らんと娘も心配するんでな。久々にオマエともゆっくり話が出来たし…また暇が出来たら顔を出す事にしよう」

『そうか。…途中まで送ってやろうか?』

ワイラーが帰宅を早めた理由はそれだけでは無い事を察したアインは、余計な申し出だとは思いつつ一言付け加えた。友の心遣いに気付いてワイラーは笑みを浮かべるが、申し出には首を横に振る。

「安心しろ。見送りが必要な程ヤワじゃない。それに買い物を済ませたばかりだから護身道具には充分だしな。ではな、アイン。次に会うまで達者でいてくれ」

そう言って手を振り別れを告げるワイラーの背を、アインは黙ったまま見送った…。

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鬼蓮街での騒動から二時間程後のシャングリラ。アレンは聖ソロモン教会のシスター・エマから最近の旧市街区の治安について話を聞いていた。一時期なりを顰めていたアクロソーマは最近になって再び広まり始め、先日のアクロイヤー・オポロの件もその一端であるとM.i.C.Rでは判断していた。そしてそれらの薬物が最も広まり易い旧市街区は現在強化パトロール区域に指定されている。

「…以前と比べて薬に手を染めてしまった方や、そのご家族の方などから悩みを打ち明けられるケースは確かに増えております。この教会でも出来る限りのケアに務めておりますが、後を絶たないのが現状ですね…」

「そうか…」

シスターの言葉を聞いて重々しく頷くアレン。XANINとキリエの同時大規模テロや、鬼蓮街のシンジケートの台頭…昨今の犯罪組織の活動は活発になる一方である。特にアクロソーマは最近になってホタルミや鬼蓮街まで流出しだしてい事にアレンは忸怩たる思いを抱いていた。

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「上には更に働きかけるつもりでいるが、シスターの方でも夜間の戸締りなど充分注意をしてくれ。薬の蔓延は治安の悪化に直結するのでな…。何かあったらいつでもいい…連絡を寄越して欲しい」

「はい、有難う御座います。アレンさんも、どうかご無理はなさらずに…」

「うむ、気をつけよう…。では、またな」

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アレンが教会を立ち去り、エマも日々の勤めに戻ろうとする。だかその時、礼拝堂から立ち去りかけたエマの背後でゴトリという音が聞こえて振り返った。丁度エマの視界からは死角になっているが勝手口の方からである。キィ…と扉の軋む音も聞こえる事から、誰かが扉を開けた事は間違い無い。エマはその扉へと近づきながら姿を見せぬ訪問者に声を掛ける。

「参拝の方でしょうか…?」

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エマの問い掛けに答えは無く、代わりに僅かな呻き声が返ってくる。それを聞きつけて心配に駆られたエマは声の主へと近づいていく。そこに居たのは禍々しい風貌を晒しながら憔悴しきった様子を見せる、異形の生命体であった…。

{続}

本日は「CROSS×MISSON」のシャングリラSIDE三話目、ナギサ&ニア・ニアとディーンのクロスポイントのお話でした。そしてディーンは実験体を追い掛け、舞台はいよいよシャングリラに…。次回は3/8公開予定です。

本日はアカツキの事件簿コラボSP「CROSS×MISSON」第三話でした。
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フォトストーリー | コメント:7 | トラックバック:0 |
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この記事のコメント

ごっほぅぁああ!!!
めっちゃ読み応えありますゼ!!
いやー、大作だわ。。。。

そして、舞台はシャングリラへ、アレンさんもご登場で(おっとその前にワイラーさんとアインさんも)
アインさんの焚き火にあたってる姿がらぶりぃ♪

>ひょっとしてワイラーさんも一暴れするのかなぁ~。

自次回が待ち遠しいです♪
2010-02-26 Fri 02:34 | URL | Koduck #j5rAmYNA[ 編集]
アインさんステキすぎ(笑)!すっごい味ありますね。いいわぁ~。アレンさんの帽子も渋いです。
ストーリーもいよいよ佳境ですね!こっちもさっさと文章終わらせないと・・・・。ポチ!

そういやこちらでディーンのページにリンク貼ろうとすると、何回やっても「NOT FOUND404 そんなページはおまへん」ですっ呆けられちゃうんですが・・・・こちらは普通にリンク出来てますね。
またヤホーのせい?他のページはリンクできるんですけど・・・・。
2010-02-26 Fri 13:30 | URL | misodrill #-[ 編集]
>コダさん
事件はシャングリラへと渡ってきて、アカツキたちも漸く動き出しますw ワイラーさんの活躍は…こうご期待で♪

>misodrillさん
アイン、割と人気あるみたいで良かったですw こちらはこれから事件が起きる感じですねぇ。文章も撮影も頑張らないと; ディーンはどうしてなんでしょうね? こちらは普通にリンクできるのですが…;;
2010-02-27 Sat 18:35 | URL | ビンテージ #3fSe.YNE[ 編集]
同じ物語でも、視点が変わると随分別物に見えてしまう物です。
そう考えると本当面白い企画だなぁ、と。
…此方のストーリーも本当に格好良いですよね。

次回はいよいよ主役登場でしょうか。
…しかし確かに見れば見る程、ディーンさんがターミネーターっぽく見えてきてしまうような…?
これが渋い言動と顔の賜物なのかっ。
2010-02-28 Sun 22:09 | URL | YUKI #a.FsQ20E[ 編集]
>YUKIさん
コラボの際はmisodrillさんと色々打ち合わせして行うのですが、今回は同一シーンを別サイドで見るタイプのコラボとなりました。次回はいよいよ主役…の活躍なるかな? 楽しんで貰えるように頑張りますー。
2010-03-01 Mon 17:59 | URL | ビンテージ #3fSe.YNE[ 編集]
やっと読めた…。このところ仕事が忙しくて…(汗)慈愛の人の
扉をたたいた異形の存在…。次の展開が楽しみっす!
ここで、この203の命が助かったとして、彼の居場所を、世界は
作り続けてくれるんでしょうか??
2010-03-02 Tue 23:07 | URL | 六畳一間 #-[ 編集]
>六畳さん
お仕事お忙しいみたいですね…お疲れ様です; 203の立場、そして今後が今回のストーリーの核ですね。というかアカツキの事件簿の根幹になるかも…? 楽しんで戴けるよう頑張りますー。
2010-03-03 Wed 17:19 | URL | ビンテージ #3fSe.YNE[ 編集]

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