ミクロの百日間戦争

ミクロマンやそれにマッチする小物類のレビューなどをつらつらと…

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アカツキの事件簿コラボSP「CROSS×MISSON」6

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*前回はコチラから。
*今回のストーリーはmisodrillさんの「玩具劇場ガンバランス」様とのコラボストーリーとなっております。そちらも合わせてお楽しみください。ホタルミSIDEの話はコチラとなります。

人間による非道な行いから逃亡してきた実験体203号はシャングリラの聖ソロモン教会で立て篭もり事件を起こしてしまう。シスター・エマに苦しみの過去を打ち明ける実験体だが、その彼を追いかけて賞金稼ぎ・ディーンも現場へと姿を現す。その窮地に実験体203号はアレンを教会に呼び寄せる…。

『こちらの指揮は任せる…』

そう言い残して非武装のまま教会へと向かうアレンさんの背中を俺は黙って見送る事しか出来ない。未だ相手の最終的な目的、要求などは判っていない。その為に犯人と接触して話を聞くというのは必須な事になる。しかし先程ディーンから聞いた話を考えれば相手は相当ヤバイやつという事になる。

(そういや、なんでアレンさんを名指しできたんだ? エマさんからこっちの事を色々と聞き出してるのか…。チクショウ、これじゃこっちだけがカードの中身を知らずに勝負してるようなもんだな…)

ヤツの逃げ出した経緯を考えれば脱出そのものが目的となるのだろうか。そうすると要求してくるのは逃走資金と逃走用の足か…。しかしシスターを連れたままのランデブーなど許す訳にはいかないし、ここを脱しても何れ捕まるのは明白だ。ならその辺りの条件を交渉する為にアレンさんを呼び出したか…。

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「ご覧ください。今、ミッションフォースの刑事が一名、教会の中へと入っていきました。立て篭もる犯人を説得する為でしょうか? 先程無事が確認された人質の安全の為にも慎重に、そして迅速な対応が求められています…」

いつの間にか現場の外にはマスコミが駆けつけて事件の動向を見守っている。犯人にとっちゃますます動き辛い状況だろう。とはいえこちらも一緒になっていつまでも手を拱いている訳にはいかない。恐らくアレンさんから何らかの合図があるだろうが、その時に即座に対応出来るようにしておかなければ。俺はオルガ・ミサリー・ディートンの三人を呼び寄せて今後の対応を練る事にした。

「オルガは引き続きミリタリーフォース達を統轄して教会の包囲網を維持。ディートンはマスコミや一般人達の動きに留意してくれ。ミサリーは本部と連絡を取って犯人の要求が出た場合での対応を相談、それと今回の件でM.I.C.Rの別部隊が動いていると思うんだがその情報についても調べてみてくれ。俺は内部の動き次第で即応できるように突入班の準備を備えておく」

ディーン曰く、これは正規の依頼という話だ。ならば実験体捕獲の為に動いている別部隊がいると見て間違い無いだろう。しかし今のところそういった話は俺たちに全く回ってきていない。実験体が脱走していたという経緯を公に出来ない為か? そう思いながらも俺は頭の片隅で何かが引っ掛かってきていた…。

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アカツキが教会の外で思い悩んでいた頃、犯人の要求に従ってアレンは丸腰のまま教会の中へと足を踏み入れた。教会の中には立て篭もり犯である実験体と、人質であるシスター・エマの二人。エマは拘束はされておらず、特に暴力などを振るわれた様子も無い。その事にほんの少しアレンは安堵の息をついたが、そんな彼に、目の前の犯人が刃と化した手を突きつけながら興奮気味に声をぶつけてくる。

「ソ、ソこでとまレ。りョ、両手をあげテ、うしロを向くんダ。おカしな真似ハ、するなヨ!」

「落ち着いてください、203号さん。この人は敵ではありません。信用してください」

「だ、駄目ダッ。まダ信用出来るカ、判らナイ。兎に角、後ろヲ向くんダッ!」

「………?」

犯人とシスターの遣り取りを耳にして、アレンは明確な違和感を覚える。どう考えても今の流れは人質とそれを捕えている者との会話とは思えない。まさかストックホルム症候群? 馬鹿な。それが生じる程の時間が経過してはいないし、そうならば容易く警察の立場である自分をこの場へと招き入れたりはしないだろう。発言を鑑みるに、自分をここへと呼んだのは犯人ではなくシスター・エマのようにも思える。そう判断したアレンは203号の言葉に従って後ろを向きつつ、僅かに首を傾げて視線を二人のほうへと向けた。

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「…それで? 私をここに呼んだという事は、何がしかの交渉をしたいからという事ではないか? それとも、何か打ち明けたい事があるか…」

「……!! ソ、ソれハ…まず武器ヲもってないカ、チェックしてからダっ。大人しクしていろヨ!」

アレンの言葉に203号がビクリと背を振るわせると、声を荒げながらボディチェックを行う。その背の向こうでシスター・エマはアレンの言葉に肯定するように小さく頷いた。

「…見ての通り武器は持ち込んではいない。だから話してくれ。一体、何があったというのだ? 我々はまだ君の事に関して何も理解はしていない。だから君がこのような事をしたのに理由があるというのならば…聞かせて欲しい」

「…グ…ムゥ……」

アレンの問いに203号は唸り声のような声をあげて押し黙ってしまう。そんな彼の様子を見かねるようにシスター・エマが一歩前へと進み出ると、203号の顔を伺ってからその口を開いた。

「その理由は私からお話します。聞いてもらえますか…?」

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「はぁっ?! 犯人を逃がせって言うんですか?」

アレンさんが教会の中に入ってから既に10分以上経過している。その間、俺は突入の手段の最終確認を進めていると、本部との遣り取りをしていたミサリーがやってきた。どうやらキリヤ基地司令から何か話しがあるらしい。そして電話を受け取って聞かされたのは、まるで予想もしていなかった言葉だった。

「バカモンッ! そうは言ってはおらんっ。だが人命を最優先に考慮して行動し、且つ人道的に事件を解決せよと言っておるのだ。いいか、マスコミの目もあるのだ。まず第一に考えるのは人質の救出。その過程で犯人が逮捕出来れば無論それにこした事は無いが、犯人を射殺する事だけは絶対に許さんっ」

そりゃ犯人を逮捕するのがベストだとは判っているし、事件の背景を調べる為にも射殺なんて真似はしたくない。だが人質を救助する為には最悪そういった手段を取る事も選択肢の一つには含まれていた。しかし基地司令の口から発せられた言葉は犯人の射殺という手段は絶対に取ってはならない―それどころか可能な限り無傷で無力化して捕えろ―という厳命であった。仮に、犯人が強行的な手段に出たとしてもだ。そんなリスクのある方針を承服しかね、俺は受話器に向かって声を張り上げる。

「んじゃ犯人が攻撃的な手段に訴えて無理やり包囲網を突破しようとしたらどうするんすかっ! 相手が戦闘能力を有している可能性は高い…それこそ周りにだって被害が出る可能性だってあるんすよっ」

「その時は捜査員達が体を張って喰いとめるが良かろう!」

「俺たちに弾除けにでもなれって言うんすか! 緊急の手段を封じられて対応出来る相手かどうかも判ってないんだぜ?!」

こちらが声を張り上げると、相手のボルテージは三倍増しになって返ってくる。負けじと俺も声を荒げて反論するが、相手は全くといっていい程こちらの言う事に聞く耳を持ってない様子だ。

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「アカツキ、オマエと議論をする気は無い。これは命令だっ! いいな、犯人は射殺してはならん。捕えるのならば傷をつけずに捕まえろ。わかったな!」

その言葉をもってキリヤ基地司令は電話を叩き切り、通信を終了してしまう。その様子を心配げに秘書のアイリーンが窺っている事に気がつくと、基地司令は深く椅子に身を沈めると荒くなった息を落ち着けた。

「すまんが声を張り上げすぎて喉が渇いた。何か飲み物を持ってきてくれるかね?」

「判りました。ただ今お持ちします」

首肯してアイリーンが速やかに部屋を出て行くと、基地司令は再び受話器を手に取りどこかへ連絡を取りはじめる。程無くして相手が出ると先程とは打ってかわった恐縮した様子で基地司令は口を開いた。

「ご相談の件ですが、ご意向に沿うように取り計らいました」

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「済まないね、キリヤ君。今回の事件、既にマスコミを通じて市民の目にも晒されている事だからね。人質を救助する為とはいえ強引な手法は取ってほしくないのだよ。事件の全容解明の為にも、必ず犯人は逮捕するようにお願いしたい。市議会としても君の方針を全面的に支持する…事件の早期解決の為に頑張ってくれたまえ」

「はっ。万事お任せください、市長」

基地司令の意気込む返事と共に電話は終了し、ブラフマー・シャングリラ市長の周囲には静けさが戻ってくる。そして市長は無言のまま、何かを思案するかのように窓の外に広がるシャングリラの街を見下ろしていた…。

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基地司令の命令で強行突入という手はほぼ無くなってしまった。まぁ突入はあくまで最終手段であり、アレンさんが中に居る以上現段階ではそういった強行手段は今のところ取るつもりではなかったが、それにしてもなるべく傷つけずに捕えろというのは難しい注文だ。ともあれ俺は本部からの命令を皆に伝達するべく集めると、そこである男の動向について急に気になってきた。

「そういやアイツ、どこ行った? 賞金稼ぎ」

「えっ? そういえば…姿を見かけないですぅ」

「ディートン、お前、現場の周辺を監視してた筈だよな。アイツがどこ行ったのか把握してねーのか?」

「ぼ、僕は知らないトンっ。僕が戻った時は居なかったトン」

そういや話を聞く為に現場に招き入れた後、アレンさんが教会へと呼び出されて…そのゴタゴタの間にアイツの姿はもう無かったんじゃないか? 現場の外へ出た? いや、アイツの目的からすると…

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アカツキの懸念通り、ディーンは警備の目を盗んで教会へと接近していた。元々ディーンは警察と協調するつもりはない。現場へと踏み入れる事が出来た今、己の目的を達するべく教会の直ぐ傍まで近づいていたのだ。

ステンドグラス越しに中の様子を伺うが、動く人影が辛うじて見える程度で犯人を特定するのは難しい。ターゲットは人質を捕えている。彼の仕事に人質の救出は入っていないが、獲物を仕留めそこなって人質を楯にされれば面倒な事になる。それ故、突入するならば即座に撃ち殺せる状態でなければ拙い。そう考えてディーンは教会の周囲をぐるりと見回すと突入の手段を模索していく。

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「アイツ、まさか…」

教会へと視線を向け、まさかの事態を想定する。次の瞬間、俺は弾かれたように動き出す。

「アカツキさんっ!」

背後から驚きながらも制止するようにミサリーの声が掛かる。しかし俺が思っている通りならば一刻を争う事態だ。俺は制止の声に振り向く事なく、教会へ向かって駆け出していった。

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「…………」

見上げるディーンの眸がある一点を捉える。教会立て篭もり事件は今、新たな局面を迎えようとしていた…。

{続}


大変間が空いてしまいましたが、漸くアカツキの事件簿コラボSP「CROSS×MISSON」第6話です。コラボストーリーにも関わらず思い切り間延びする形になって本当申し訳ないです; そしてストーリーも展開が遅くてすみません(謝ってばかりだ;) 203号の真実を聞くアレン、基地司令から厳命を受けたアカツキ、依頼を遂行するべく動き出したディーン、次回は漸くアクションシーンに入れそうです。

本日はアカツキの事件簿コラボSP「CROSS×MISSON」6でした。
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この記事のコメント

ついに再開ですね!!待ってました!

市長暗躍してますね~。ディーンの行動も気になる所。ミッションフォースの面々の本格的活躍は次回待ちでしょうか。

にしてもやはり背景やエキストラの面々が良いですね!騒然とした雰囲気が凄く出てます!
ポチ!

画像お願いのメール出しましたので、お暇なときでもお願いします!
2010-06-08 Tue 10:49 | URL | misodrill #-[ 編集]
>misodrillさん
拍手有難う御座いますー。時間掛かりましたがどうにか再開できました; 市長、今回は思惑あってちょこっと介入しております。MFやディーンとの活躍は漸く次回から…ですね。うう、展開遅いなぁ;; 
2010-06-09 Wed 16:31 | URL | ビンテージ #3fSe.YNE[ 編集]
祝!再開ぃ!!

アレンさんが万事うまくまとめてくれそうな予感・・・???

ビンさんのストーリー写真って、背景がすごいですよねー。
2010-06-10 Thu 01:32 | URL | Koduck #j5rAmYNA[ 編集]
シリーズ再開おめでとう御座います。待っていましたともー。

…個人的に司令の中間管理職っぷりというか駄目っぷりというかが気になりつつ。
こういうキャラってミクロ界隈、意外と居ませんものね。

思わぬ所で市長登場にどきっとしつつ、
アレンさんの大岡ばりなお裁きに期待します。

画像ってアレかしら?と思いつつ、
どうかご無理はなさらずにですとも。
2010-06-10 Thu 16:13 | URL | YUKI #a.FsQ20E[ 編集]
>コダさん
長い事間が空いてしまいましたが漸く再開しました; アレンの思惑はともかくディーンの行動がどうなってくるかですね。今回はある意味教会の背景が主役みたいな感じですね(笑

>YUKIさん
基地司令、前からもっとストーリーに絡めようと思いつつ漸くここいらで存在感が出せましたw 市長もそろそろ影を出していかないとと暗躍中です。果たしてアレンはどのように判断するのか…次回、なるべく間を空けずにアップしたいです(汗
2010-06-11 Fri 19:59 | URL | ビンテージ #3fSe.YNE[ 編集]
おお!再開!待ってました!!今回は”動”に行く前の”静”って感じですねぇ。
市長さん、腹の中になんか持ってるっぽいなぁ。事件との繋がり、気になります。
次回、力を貯めたバネがはじけるような急展開を期待してます!!
どう動く?シャングリラポリス部隊!賞金稼ぎ!実験体!!楽しみっす!
2010-06-12 Sat 22:38 | URL | 六畳一間 #WzzJX4NY[ 編集]
>六畳さん
だいぶ間が空いてしまいましたが漸く再開致しました; 市長は今回ちょっとした介入してみましたが、本格的に事件に関わってくるのは次の事件以降かも…。次回…うーん、そこまでアクティブになれるかどうか(笑
2010-06-13 Sun 23:05 | URL | ビンテージ #3fSe.YNE[ 編集]

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